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PTA本部役員になる為に必要だと思う3つの要因

PTA本部役員になる為に必要だと思う3つの要因
今時期はもう、どこのPTAも次年度の本部役員探しに奔走している最中ではないでしょうか?
実際は去年末くらいまでに本部役員への立候補推薦などを踏まえて選考し、今年に入ってからは役員への打診や内定まで固めていくというのが理想で、このようなスケジュールで建前上は設定されている単Pは多いと思います。

ですが、往々にしてそんな余裕を持って楽勝に次年度の本部役員がキレイに決まるケースは皆無に等しいのではないでしょうか?
これはもう言い切れます。笑

その下の専門委員専門部員ですら嫌がられているのに、そこを飛び抜けて本部役員がバチっと決まるはずなんてないですよね・・・。
毎年毎年この時期になると、「次の役員の成り手がいない・・・。」「このままではPTAを維持できない・・・。」など、現役の本部役員の方々は思ってヤキモキするのがもはや定番化と言える気もします。

しかし実際問題として、なぜどこのPTAでも新たなメンバーとして次年度の本部役員が決まらないのかは、永遠のテーマとも言うべき重き課題と私は考えています。

決まらない理由としてパッと思いつくものがいくつかありますが、PTAに否定的な保護者さんは「だったらPTAをなくせばいい」という答えを出す方も少なくありません。

単P各々によっては廃止という結論に至る場合もあると思いますが、私としては「なり手がいなければ廃止」という結論には至っておらず、その理由としてはやはり「学校にPTAは現状必要」という考えが根底にあるからだと自分では思っています。

他の記事でも触れていますが、私はかといって今の「よくあるPTA」としての運営は反対であり、変容させて残存させるのが最適という考え方です。

その上で今回は、なぜ本部役員が決まらないのかを私なりに分析してみました。

それと例によってそしていつも重ねて申し上げますが、これはあくまで私見個人的見解です。笑
エビデンスなしの独自見解も含まれていると思ってご容赦ください・・・。

本部役員になる為に必要な3つの要因

私が考える本部役員が決まらない理由としては、私が本部役員になることになった実体験も含めて3つの要因が必要であるからと考えています。
要員は関連し連鎖しているとも言えますし、実際はその人によって複雑で細かくなるとは思いますが、大きく分けると概ね3つになるのではと考えました。

その背景には現代の家庭事情もありますし、この要因がネックになっていることは本部役員に限らすPTAに関わること自体に起因するとも思います。

そういった事情も含めて、私が考える本部役員に必要な3つの要因は、

  • 「時間的余裕」
  • 「金銭的余裕」
  • 「精神的余裕」

と考えました。

もちろん、上記3つの余裕を持ち合わせていなくても役員をやっていらっしゃる方もいるとは思いますが、何かしらの小さくない負担が掛かっているのではと思います。

時間的余裕

まずは、PTA活動に参加する時間的余裕がない方が多いという要因です。
正直言ってPTA活動は時間を割かれます。
しかも学校の稼働時間に合わせての活動がほとんどの為、平日の日中ど真ん中に活動せざるを得ないことが多いです。
近年は共働き世帯増加し、さらに労働時間が長い、あるいは不規則な勤務形態の家庭も多くなっています。
仕事の他にも育児家事、そして介護なども含めて2つを両立どころではない複数の事をこなさなくてはならないご家庭も年々確実に増加している傾向です。
そういった事情がPTA役員活動に十分な時間を割けないと感じて難しいと思っている保護者もいることは確かです。

PTA本部役員になると、定例の会議や行事の企画・運営、各専門部の取りまとめや参加など、かなりの時間を求められるケースがあるため敬遠されがちです。
個人的感想としては、上部団体、学校、地域と、それぞれの絡みが多ければ多いほど想像以上に時間を求められると思いました・・・。

また良くも悪くも張り切ってやってしまう役員の方の影響で、役員業務の属人化負担の偏りが発生してしまうケースも見られます。
これは時間的にも金銭的にも精神的にも全てに余裕のある方が本部役員になりやすいという背景もあると私は思っていますが、どうしても自分の生活スケールで物事を考え、大多数の保護者さんでは到底無理な活動内容に組み替えてしまうという、属人化スキームを誕生させてしまうケースもあります。

もちろん当の本人には悪気はないのですが、他世帯の生活スタイルは自分と一緒と無意識に考えて活動してしまい、結果的に全てにおいて余裕がある人にしかできない役員業務に組み替えてしまうという、全ての業務に関して「この人しかやれない」といった形で引き継がれざるを得ない流れに陥り、余計に時間的余裕がないと関われない組織となっていくケースは多々見られます。

これが、こういった余裕のある方々が集まって本部役員を形成してしまい、時代に逆行し、組織の隅々まで属人化してしまう場合もあるんですよね・・・。
そうなると、前年度のやり方を踏襲するだけで精一杯で、もともと完璧に出来るハズがない引継ぎだって作業手順やノウハウが属人化でブラックボックス化しがちで、スムーズに分担や引き継ぎができず、一部の役員に大きな負担が集中してしまうことが多いです。

家庭に余裕があることはとてもいいことですが、余裕のない家庭に基準を合わせないとPTAを存続させたい人達によってPTAを存続不能にさせてしまうという不幸な出来事にも陥りかねません。

必然性のない儀式的なことはやめた方がいいですし、引継ぎは会社だって完璧に出来ないもんだと思いますから、あまりないに越したことはないと思います。

金銭的余裕

こちらは時間的余裕に関連しますが、要するにお金がなければその分稼ぐ時間が必要です。

労働時間の長さ不規則な勤務形態のことを上述しましたが、どこの家庭も両親がいて、サラリーマンでおじいちゃんおばあちゃんの援助があって、ボーナスもあって家庭が円満とは限りません。
お客さんから声が掛かれば土日だろうが昼夜問わず動く個人事業主の方もいれば、非正規雇用で働く方もいます。

そんな家庭がPTA活動へ積極的に取り組めるはずがありません。

私は自分が役員になって思いましたが、本部役員こそ今解説している3つの余裕のない人達に目を向けるべきだと思っています。
余裕のない方々の中にはPTA活動を否定するわけではなく、事情から活動に参加できないという方もいらっしゃいます。
そんな方々に「みんなそれぞれ家庭に事情はあるんだから、PTA活動には参加するべき」という論理で接するのは良くないのではないでしょうか。

持論ですが、余裕ない人も認めた活動内容にすれば活動内容の緩和が見られ広まり、もう少し理解を深めて活動や役員参加に目を向けてくれる人が増えるのではないかと私は考えます。
理想論と言えば理想論ですが・・・。

精神的余裕

3つの理由の中で最も複雑で難しいと思うのが、この精神的な余裕です。

家庭や職場でもあまり問題なく、PTA活動に目を向けられる精神的な余裕は、あるようでなかなか難しいです。
ましてや本部役員となれば色々な業務内容に加えて、学校専門部、そして一般会員との関わりなど、重要な意思決定や運営上のトラブルに直接関わる立場になります。

特に会長職はそうだと思いますが、トラブルクレームが発生したときに矢面に立たされることを不安に思う人は多くいます。
リスクや負担に見合うサポート体制や明確なルールがないと「何かあったら自分が責任を取らなければならないのでは」という心理的プレッシャーが大きくなりますし、実際問題としてそんな万全の体制を構える単Pは存在しないのではないでしょうか。
元々の環境に加えて、役員になった後も考えるとなかなか気軽に本部役員になるとは発想出来ないのが人情だと思います。

本当に「できる人が、できる時に、できることを」が実現できる組織に

誤解を恐れず最後に申し上げますが、PTA活動は「できる人が、できる時に、できることを」とよく言いますが、私はきれいごとだと思います。

PTA活動に参加する為には、仕事を休む・夜に作業する・家事を後回しにするなど、多くの方は必ず時間を割くために何か負荷を強いられます。

もちろんそういった負荷をあまり感じないで活動できる方もいらっしゃると思いますが、そういった方々が大多数であれば、本部役員の成り手不足やPTA存続に関して問題になることはありません。

私はPTAへ入会しない方脱会する方増えていくのも自然の流れだと頷け、それを受け止めてどうするかの舵取りがうまく出来ずにいる単Pも多いと思っています。

別に自分が偉いとは思っての発言ではないことをご理解いただきたいのですが、私はシングルの2児の父です。
子供たちにとっての祖父母も近くにおりません。
様々な理由があり、今まで申し上げてきた3つの要因は持ち合わせていないです。

普通はそんな人間がPTAの本部役員をやるのはあり得ないですし、もちろん私が受けたことではありますが、私を役員候補として名前を挙げ、実際に声を掛けるという当時のPTA本部には今でも疑問を感じています。

メンバーも変わり、現本部はご理解いただいていると思っているのですが、旧本部はまさに今まで触れてきた内容活動を無理矢理進めてきたと思います。
役員にならないかと言われた際、私は「子供2人を1人で見ているし、子供たちの将来のことを考えると学費も含めて稼ぐ時間を増やしていきたいので難しいです。PTA活動に協力できることはさせてもらいたいですが、本部役員はお受けできません。」と率直に申し上げたのですが、私に声を掛けてきた当時の役員の方はその返答として「いや、私も働いているんで。」の一言で一蹴しました。笑
この時私は、「あー、この学校のPTAは一世帯潰してでも維持するべき組織なのかなぁ?」と思ってしまいました。

それで致し方なくお受けしたところがスタートなんですが、おそらく声を掛けた方は何の悪気もなかったと思います。
まさにそれがその方の価値観だったんだと思いますし、私の固辞表意に対しての率直な感想がそれだったんだろうと今では思えていますが、いいスタンスではないとも思って、どうせやるなら本音でやってやろうと思って子供たちの学校ではその意気でPTA活動に関わっております。笑

お仕事として他校のPTAさんとお話させて頂く時は各単Pさんのご意向をお伺いしてご協力できることをと思っているのでちょっとスタンスが違うのですが、今回は子供たちの保護者としての気持ちも交えて書かせていただきました・・・。

各単Pさんによって正解が違うと思いますが、本当の意味で「できる人が、できる時に、できることを」が実現できる組織にどのPTAでもなって欲しいと思います。

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