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PTAに思うこと

株式会社ウイングフォーム
最近、小学校や中学校のPTA様からアウトソーシングのご依頼を頂くことが増えてきました。
私は小学生の娘と中学生の息子と3人で暮らしているのですが、私自身も小学校や中学校でも委員や役員を経験しており、特に中学校では副会長を務めているため、本部としての問題点などにも直面しています。

ちなみに小学校では3年間、中学校では2年間、委員や役員を結果的に務めています。

これは「シングルの親がやることではない」「異常だ」と周囲にはよく言われます。
私自身もそう思います。笑

そこまでPTAに関わっていった理由がそれなりにあるのですが、そこでこのホームページ自体あまり動きがないので、仕事に絡めるとかこつけて、PTAに対する個人的な見解や意見を時々書き連ねてみたいと思いました。笑
ですので、これから私がPTAに関して書き連ねることはあくまで私見です。
間違っていることも書くかもしれませんのでご了承ください・・・。

それと敢えて断っておきますが、私の立ち位置は「PTAは現状必要だ」と思っている立ち位置です。

色々言いましたが、この件に身近な方はもしよろしければご覧ください。

PTAのファーストインプレッション

私がPTAと初めて関わったのは、息子がまだ小学生の頃です。
子供たちの通っている小学校は子供が在学している6年間のうち2回、要は3年に1回は係や委員、役員など、とにかく何かをやるようにという決まりでした。

事前に何の担当をしたいのか希望書を書かされ、年度初めに実際に担当する役割を発表され、前年度の方からの引継ぎも含めて顔合わせをやるという流れです。

ちなみに希望書には第1希望から第6希望くらいまで記入する箇所があり、ほとんどの人がとりあえず致し方なくやってもいいと思うものから順に希望を書き込むパターンが多いと思います。笑

この時点で私のPTAに対するファーストインプレッションは、正直なところ「面倒」「拘束」「厄介」というところでした。

なぜ「面倒」「拘束」「厄介」なのか?

私がなぜPTAに対して最初に思った印象が「面倒」「拘束」「厄介」だったのか。
そしてこういった印象は私だけでなく、ほとんどの保護者さんが抱くものではないでしょうか?

当時はふんわりとそう思ってしまいましたが、役員も務めている今ならある程度その答えが見えている気がしています。
この答えは地域や学校、所属するPTAによっても異なってくると思いますが、概ね以下のようなところではないでしょうか。

1.度重なる拘束と強制感
ほとんどの学校のPTAは、説明や作業など活動する為ことあるごとに学校へ招集させるケースが多いです。
しかし近年、共働き世帯や私のようなシングルの世帯増加しており、親がフルタイムで働くケースが多くなっています。

また介護などで家を空けられないケースも増えているのではないでしょうか。

いずれにしてもその結果、PTA活動に参加する時間的余裕がない家庭が増えていることは確かです。
基本的にPTAの仕事は学校の開庁に合わせるという点もあってか、平日の日中に行われることがほとんどの為、活動に参加する為には仕事を休んだり致し方なく家を空けて外出したりと、無理をしなければいけない家庭が大多数だと思います。

PTAは戦後GHQによって普及した組織という背景がある影響だと私は思っているのですが、組織運営的に全家庭祖父母が居て両親も健在で所得も申し分ないという昭和のモデルケースのような家庭環境であるという前提のもとに活動内容が設定されたままという印象を私は感じました。

家庭環境が上述のモデルケースに近いこと自体は悪いことではありませんが、現代では多くの家庭環境がそうではないという所に焦点を当てず従来の動きを堅持すれば、多くの家庭には強制感しかなく負担になりますし、改革していこうという動きもなかなかない為にほとんどの一般会員は負の印象を抱きやすくなっているという見解です。

先進的に改革しているPTAもあるとは思いますが、時代に合っていないやり方になっているPTAもあるのではないでしょうか。
2.任意の団体であること
これはかなり厄介だと個人的には思っているのですが、PTAという組織はあくまで任意団体であり、加入しなくてはいけないという強制的な義務などを示した法律や条例はありません。
厳密に言えば、PTA・青少年教育団体共済法や学校教育法第137条などがPTAに関わる法律とはなりますが、会社法のような運営面に関して細かく決まりを示されたものではないです。

ですので実際は任意加入であるはずなのですが、多くのPTAでは「入らないといけない」「入らないと何か良くないことが起きる」という忖度が生じたり、中には任意加入である旨を説明せずにPTA会費を徴収する「自動入会」というスタンスを取ったPTAも存在しています。

ただ、任意加入であることを前提とした運用が行われていない場合や、退会が認められなかったり、無理矢理役員に任命されたりといった場合は、民法によって法律的な問題が生じる可能性があります。

そういった法律面を指摘する人も増えており、近年はPTA加入に関して会費の返還請求や損害賠償などの裁判沙汰になるニュースも目にしますし、訴える側は保護者だけでなく学校の先生からもあるという状態です。
つまり、教職員側にも不満は生じているということではないでしょうか。

こういった一連の問題には、PTAが任意の加入団体であることが一因になっていると私は考えています。
的確な法律に縛られていない団体である以上、全ての問題を民事で捉えるのも難しいですし、法人でもないのでしっかりとPTAについて規定している法律はなく、法に則した判断も順守もできません。

言い方は悪いかもしれませんが、つまりPTAは極論マイルールで運営できるのです。

そうは言っても会費を集めて運営する以上、その活動報告の義務はどの学校のPTAでも承知し、会則を設けてPTA総会という場所で1年間の活動収支報告を行うことが定番ですが、近年は書類決済に移行しているパターンがあるにしてもこれもまた負担です。

法人ではないですから会社法にも抵触しないながら、その上で会計報告の作成も大変ですし、法的な決まりのない中しっかり会計業務をしなければならないというのも負担に感じます。
(私は監査の存在も、あまり意味を為さないケースが多いように感じているのですが・・・。)

会計のみならず運営面で言えば、仮に実情と乖離した人がトップに立てば活動内容もほとんどの家庭にそぐわない内容に変容しやすいですし、それを止める決まりを設けている団体もまずありません。

国政のような二院制議会のような建付けもありませんし、地方自治体のような二元代表制のような組織体系にもなっていないという、公平さに欠けやすい「ルールのないルール」PTAの大きな問題の1つだと私は思います。
3.無理のある活動内容
前述の通り、PTA活動は平日の日中に行われることがほとんどですし、必要性も含めて無理のある活動内容が課題となっている組織が多くあるのではないかと思います。

例えば広報誌を発行する広報委員や広報部と呼称されるセクションは、取材から編集および発行まで担当となった保護者で行うPTAが多いと思いますが、専門的知識や経験を必要とする誌面発行「今日からあなたが広報です。はいやってください。」というのは引継ぎがあったとしても酷過ぎます。
誌面作成からはデザイナーに外注として頼む方法を導入しているPTAもあるかと思いますが、それでも打ち合わせはありますし取材まで外注というケースはあまり見ません。

また朝の学校へ赴き児童や生徒に「おはようございます」と声掛けする挨拶運動、登校途中の交通的に危ない場所に立って旗を持ち、子供たちを安全に登校させる交通安全運動など、朝の時間に都合のつく人しか対応不可能な活動なども現実的に無理があると私は思っています。

ただし活動自体を否定するものではなく、特に交通安全運動などは児童たちの安全に関わる重要な活動であるとも思いますが、それを働く保護者さんにやってもらうというのがなかなか難しいという考えです。

息子の中学では講習会や講演会への強制参加撤廃や、参加率も低く意味を為していない挨拶運動のやり方を変えるなど提言して実践してきましたが、変えたがらない人もいました。笑

私の実体験としては、一般会員の保護者さんは「やり過ごせばいい」という考えで我慢して一時を過ごそうと思う方が多く、本部役員は「とにかく今までやってきたことを変えずに引き継がなくてはいけない」という使命感に溢れる方が一定数居て動かないという受け止めです。
そしてそう思う方は、現状の活動内容が苦なく出来てしまう家庭環境であることが当然なので、説明しても大多数の家庭がそうはいかないことをなかなか分かってもらえなかったりします・・・。
現実的に難しい無理のある活動内容が、PTA本部自らも首を絞めている負のスパイラルだということに気付いて欲しいと思ってしまいました。

しかしながら、このような思いに至る方は私だけでなく他にもいらっしゃるのではないでしょうか。

PTAは根深い

他にも色々と原因や問題がPTAにはあると思いますし、各PTAによってオリジナルのアクシデントもあると思います。
ですが、どこを切り取っても思うのが、「PTAは根深い」ということです。

日本全体の傾向を見ると、少子化の波は今後も抑えられるとは思いませんし、子供の数がPTA活動を左右することは間違いありません。
少子化によるPTA会員の減少も活動を難しくする1つの要因だと思いますが、色々な面を踏まえると私は今後ほとんどのPTAは何も対策を取らないと壊滅もしくは残存してもなんらかの変容を強いられると思っています。

本部役員も1年や2年の任期制が基本ですので、その中で問題点を受け止めて変えていこうというのは労力も時間も要しますし、協力者の存在も重要です。

様々な因縁というべき問題や懸念点を、ほとんどのPTAは抱えたまま無理して今は継続しているのではないでしょうか。

私はこの因縁に挑んでしまいました。笑

またこの続きを書けたらいいなと思います・・・。

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